形勢判断の基本 – 駒の働きについて【初心者向け将棋講座】

形勢判断講座ということで、今回のテーマは「駒の働き」です。

駒の働きとは言葉の通りの意味ですが、具体的には働いている駒なのか、遊んでいる駒なのかという判断基準になります。

ただ、これに関しては図を見ていただいたほうが早いと思いますので、以降でそれぞれの駒の状態について図解します。

働いている駒の状態

まずはこの図を見てみましょう。

これは、四間飛車でよくみられる形で、飛車を4筋に振って美濃囲いの陣形を組んでいます。

さて、この陣形で働いている駒はどれか、という問題。

答えは、全ての駒が働いているです。

この陣形で唯一働いてなさそうな駒は9九の香と8九の桂ですが、この駒は端や7七の地点を守るという意味で立派に働いています。

一方で、右側にある金銀桂香は玉を守るために働いていると言えるし、飛車と角のポジションも良い位置にあるので遊んでいるとは言えません。

スキがなく、駒達が躍動している陣形だといえますね。

遊んでいる駒の状態

では、この図はどうでしょうか。

働いている駒はどれか…

答えは、せいぜい9八の香と8九の桂くらいです。

例えが極端ですが、これくらいしないと遊び駒の説明はできません。

この局面を見ると、まず9九の角がまだ居ない方がマシなレベルで働いていません。玉の逃げ道を塞ぐどころか、守りにすら効いていないし、動けるマスがありません。まさに、最悪の状態ですね。

また、右側に固まっている駒ですが、これも一切働いていませんね。飛車は埋まっていて、活躍のかの字も見えませんし、金銀は役割を完全に放棄しています。

これはまさに、遊び駒と呼ぶにふさわしいですね。

駒の可動域

駒の働きには可動域という要素もあります。

例えばこの図で、一番働いているのは部分的には9九の香車です。

なぜかというと、香車は前にしか進めない駒なので、下段にいるときが最も可動域が広く、上に行くにつれて可動域が狭くなるからです。

また、この図では金の働きですが、当然3三にいる金が最も働いていると言えます。

1一の金は左と後ろの二か所しか動けないのに対して、3三の金は7か所に動くことができるからですね。

大駒にも同じことが言えます。

この図ですと、5五にいる角が一番働いているといえますね。9九の角は左斜めにしか動けないのに対して、5五の角はすべての斜め方向に動くことができるからです。

これらは駒の働きというよりも、駒の効率という考え方になりますが、セットで覚えておくと良いでしょう。

実戦における駒の働き

ここまでで、働いている駒、遊んでいる駒がどんな駒なのかは分かったかと思います。

例のように、何かしらの役割を担っている駒なら働いていると言えます。

結局のところ、基本的に駒は働いていると言ってもいいでしょう。

しかしながら、実戦においては攻め駒が捌けずに残ってしまったりとか、王手をかけられて逃げている間に玉を守っていた駒が遊んでしまうといったようなケースもよくあります。

ですので、下記に実践例もいくつかご紹介していきたいと思います。

この局面では、先手の8五の金と7七の角が遊んでいて、飛車を打たれて狙われるだけの駒になっています。

向かい飛車で押さえ込もうとした結果、うまく捌かれて押さえの金が完全に取り残されてしまった形ですね。

また、角も残念な位置にいて、使うのに手数がかかります。

このように、捌きあいで駒が残ってしまうと不利になるケースが非常に多いですね。

 

この局面では、後手の守り駒が完全に遊び駒になっていますね。

もともとはダイヤモンド美濃と呼ばれる金銀四枚の堅い囲いだったのですが、王手王手で玉を釣り上げられたパターンです。

こうなると囲いの金銀は守りに全く役に立たないどころか、玉の逃げ場を塞いでいる邪魔な駒になっています。

このように、囲いの駒が遊んでしまうケースもあるので、受けには注意が必要ですね。

この局面では、後手の6一や4一の金が遊んでいるように見えますね。

しかし、この場合は遊んでいるとは言いません。なぜなら、金は初期位置にいるだけでも十分に働く駒だからです。

大駒を持たれた時のうち場所を消している意味もありますし、ただそこに居るだけでも守り駒として活躍できます。

一段目の金は強いんですね。

特に穴熊の将棋では、このように金を初期位置においたまま戦いになることもありますので、判断を間違えないように注意する必要がありそうです。

この局面では、後手の3二銀が遊んでいます。

この位置では、攻めにも守りにも使えず、戦いに参加させるのに2~3手かかりそうだからです。

金は初期位置でも働きましたが、攻めの銀が立ち往生してしまう展開はよくありません。

序盤の些細な構想も大切だということですね。

 

駒の働きのポイントまとめ

ここまでで色々とご説明しましたが、ここでポイントをまとめます。

  • 何かしらの役割を担っている駒は働いている
  • 何の役にも立っていない駒は遊んでいる
  • 駒の可動域が多い方が駒の効率が良い
  • 実戦では、攻め駒が取り残されないように気を付ける(特に銀)
  • 実戦では、守り駒が玉から離れないように気を付ける

これらすべてをいっぺんに考えるのは、初心者のうちだと難しいかもしれません。

しかし、普段から意識をするだけでもずいぶんと対局観が変わってくるはずですので、ぜひ身に付けていただきたいですね。

 

それでは、駒の働きに関する内容は以上となります。

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