足し算の受けの基本【初心者向け将棋講座】

受けの基本編ということで、まず最初のテーマは「足し算の考え方」についてです。

足し算というのはそのままの意味で、駒を足して相手の攻めを受けようという考え方です。

具体的には、相手の攻め駒と同じ数の駒が効いていれば、受けが成功するということになります。

これは攻めの基本編でも同様のテーマがありましたが、受けにおいても足し算は基本中の基本の考え方となりますので、ぜひ習得していただけたらと思います。

では、さっそく講座の方を見ていきましょう。

将棋における足し算の考え方

こちらは攻めの基本編でも出てきましたが、足し算の説明でよく使われる「棒銀」と呼ばれる形についてみていきましょう。

ここで、後手が先手の攻めを受けるにはどうしたら良いかという問題です。

この図でのポイントは2三の地点に効いているコマの数です。

後手は金が一枚で、先手は今のところ0枚ですね。

しかしながら、先手には次の▲2四歩△同歩▲同銀から、2三の地点に駒を足す足し算の攻めがあり、それが実現してしまうと2三の地点が1対2で先手の方が多いので、攻められてしまいます。

ですので、後手としてはそれを防がなくてはなりません。

正解は、△2二銀ですね。

銀を上がることで、2三の地点に駒の効きを足しましたので、▲2四歩からの先手の攻めは失敗することになります。

先ほどと同じように▲2四歩△同歩▲同銀と進めば、△2三歩と打って銀を追い返すことができます。

ここで仮に▲2三同銀と取れば、△同銀で先手の飛車は相手の陣地に入れないどころか、銀と歩の交換で駒を損してしまいます。

この局面では、2三の地点に先手の銀と飛車、後手の銀と金が効いていて、2対2の格好なので、先に2三の地点に入った方が数で負けるということなんですね。

 

つまり、このように足し算の受けを考えれば、自然と相手の攻めを受ける手が考え付くということです。

足し算の受けの実践例

とはいえ、実戦においては先に紹介した例のような局面にはほとんどなりません。

相手も相手で、攻めやすいように工夫して指してくるからですね。

ですので、ここでは実戦においてよく見かけるような形をいくつかご紹介いたしますので、イメージをつかんでほしいと思います。

これはコンピューター将棋の序盤で、現在は先手の手番です。

さて、後手には次に△8七歩成の狙いがあり、これがすんなり通ってしまうと試合終了という局面です。

先手は受けなければなりませんが、、どうやって受けましょう

①▲9六角 ②▲9八角 ③▲8八歩 ④▲8八銀

△8七歩成を受ける手、四択です。

正解は、③▲8八歩です。

①の▲9六角は、一見して8七の地点を守りつつ▲6七角成をみせた攻防の手ですが、普通に△5八玉くらいで先手が困ります。(角を変なところに手放しただけの一手になってしまいます。)

②の▲9八角も同様に、何もせず△5二玉くらいで先手が困りますね。なにより、この局面では角を手放すダメージが大きすぎます。

④の▲8八銀は、実は不正解ではありません。仮に△8七角と攻めてこようものなら、▲7七金として相手の角を召し取る順があります。なので、これで後手の8七を攻めるという狙いは防ぐことができるんですね。

ただ、将来的に8七に何か駒を打たれて攻められる可能性があり、その時に金銀に当たってくることを考えると、▲8八歩には劣ります。

細かいところですが、この場合は8八歩が最も安全で強い戦いができる足し算の受けなのです。

さて次に、つい最近並べた三浦弘行九段対広瀬章人八段の、2017年9月22日に行われた対局を見てみましょう。

色々ゴチャゴチャしていますが、後手が△8五桂と銀の両取りをかけてきた局面です。

さて、受けるとしたらどれでしょうか。

ポイントは、相手にはもう一枚桂馬があることです。

正解は、▲8九桂でした。

ここでは▲8八銀も自然でしたが、それだと△7七桂成▲同金のあとに、また▲8五桂と打たれて金銀の両取りです。

これでは先手の持ち駒に桂馬と香車しか残らず、受けにも攻めにも全く希望が見いだせない局面になってしまいます。

しかし本譜の局面では、ここから△7七桂成▲同桂△8五桂と進んだ時に、7七にいる駒が桂馬になっているという利点と、手持ちに銀が残っているという利点があります。

本譜では最終的に△7七馬と切っていったので、取られたの駒が桂馬だった分、銀を打つよりも得したということなんですね。

まぁ、ここまでくると非常に細かく難しいと思われるかもしれませんが、、

簡単にいうと、どうせ取られる駒なら安い駒にしておこうということですね。

受けも大切ですが、その後の反撃に必要な駒まで受けに使ってしまっては、受けは成功したとしても後で困ることになってしまいます。

なので、節約できるなら、なるべく節約することを頭に入れておく必要があるということですね。

足し算の受けのポイント

ここまで足し算の攻めについて説明しましたが、ポイントをまとめますと以下のようになります。

  • 攻めの駒と受けの駒が同じであれば、受けに成功する
  • 反撃する含みを消さないよう、持ち駒と相談しながら駒を足す必要がある
  • どうせ後で取られるなら安い駒を足した方が良いケースが多い

まず、足し算の考え方の大前提としては、攻め駒=受け駒であった場合に、受けが成功するということですね。

この理論さえあれば、相手の攻めを受けるにはどうしたら良いか読みやすくなるはずです。

そして次に、どの駒を使って足すかを考えることです。

相手の王様は金があれば詰み!という局面で、金を受けに使ってしまっては詰みがなくなってしまいますからね。

おわりに

ここまでで、足し算の受けの基本についてご説明しました。

実践例では、少々難しい局面をピックアップしましたが、よくわからなくてもポイントさえ押さえていただければ良いかと思います。

本記事が読者の皆様の棋力アップに貢献できれば幸いです。

それでは、また次の講座でお会いしましょう。

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