大橋宗桂 VS 萩野真甫(ハイライトは▲1五桂打)【江戸時代の棋譜並べ#3】

江戸時代の棋譜並べシリーズです。

今回は大橋宗桂 vs. 萩野真甫で、1650年1月1日に行われた対局です。

約370年前のまさにお正月という日ですね。

さて、さっそく棋譜を見ていきましょう。

大橋宗桂 VS 萩野真甫

本局は、相変わらず江戸時代特有の序盤となりました。

この時代にはまだ矢倉という戦型はなかったのでしょうか。

だいたいこんな形になり、どちらかが飛車を振る将棋が非常に多いですね。

相居飛車の将棋がほとんどないというは驚きです。

ここまででお互いのコマ組が終わり、これからどう戦いが起こるかというところです。

いやしかし、先後鏡合わせのような陣形で、金銀のスクラムが美しい。

もしかしたら、善悪を別としてもこのようにお互いに準備をして戦いを起こすというのが王道で、それが暗黙の了解だったのかもしれません。

先後問わず、スキあらば攻めるという現代将棋の感覚とは真逆ですね。

しかしそうはいっても、お互いに何もしなければ勝負はつかない。

駒がぶつかり中盤に入った局面で、平凡ながら気づきにくい▲6四歩が素晴らしい一手でした。

△同角は▲4四歩打で先手の攻めに勢いが出てくるので、本譜の△同銀が最善主。

しかしその瞬間、銀が一枚守りから離れるので先手は攻める権利を得た。

この時点では形勢は互角だけど、将棋は受けるよりも攻めている方が精神的に優位に立てるので、一つポイントを稼いだと言える。

そしてコマの捌き合いになった。

この▲4四歩は、飛桂交換のコマ損だが1一にいる馬を使って一気に攻めつぶしてしまおうという強気な一手。

以下△4八成桂▲同金△8一飛▲4三歩成とすすんで、激しくなる。

ここでは、と金を払う手ではなく1一飛車と馬を外す手が最善だったようだ。

本譜はここで△同金となり、これが敗着となった。

一見して同金は普通の手ですが、次の一手が強烈でしたね。

▲1五桂!

これは取れば▲1二銀△1三玉▲1四香の簡単な詰みがある。

なので仕方なく△1三玉とかわすが、▲2一銀が馬取を避けつつ詰めろをかけた好手で、後手は2二金とするよりない

この後先手は▲2三香と確実にいくが、実はこの局面は詰みだった。

▲2二同馬△同玉▲2三香で、どこへ逃げても金を打って詰み。

まぁ、後手は何を指しても負けなので危険を冒してまで詰ます必要はなかったということでしょうかね。

本局の解析結果

先手は悪手、疑問手なく、最後の詰みを見落としたこと以外は完璧に指しこなした一局ということでした。

一方の後手からすると、▲1五桂を見落として一気に負けにしてしまったという将棋ですね。

形勢グラフはこのようになっています。

なんと、70手くらいまで互角だったんですね。

かなりいい勝負をしていましたが、一手の間違いでここまで不利になってしまうのが将棋、後手は悔しかったことでしょう。

おわりに

江戸時代の棋譜並べシリーズ、やっぱ面白いです。

個人的に。

なんというか、ロマンがありますね。

また面白い棋譜があればご紹介いたします。

それではまた~

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