生けるレジェンド対決!!森内俊之 九段 VS 羽生善治 二冠 2017/9/23【棋譜並べ】

今回は、2017年9月23日にグランメッセ熊本で行われた、将棋日本シリーズでの一局で、森内九段VS羽生二冠の将棋を並べていきます。

本対局は森内九段と羽生二冠の強豪棋士同士ということで、注目される将棋でしたね。

それではさっそく、並べていきましょう。

森内俊之 九段 VS 羽生善治 二冠 相矢倉

先手が森内九段、後手が羽生二冠です。

戦型は、相矢倉に決まりましたね。

矢倉は終わったと言われる現代において、レジェンド同士の対決で再び見れるとは将棋ファンにとってはうれしい限りですね。

しかし、序盤早々、羽生二冠の構想がすごかった。

後手番ながら、一昔前の先手3七銀戦法のような構えを作っています。

羽生二冠のことですから、この形は相当研究されているはずです。

この局面はおそらく、玉を2二まで囲ってわざわざ相手の攻めを真正面から受け止めるのは非効率的なので、先に攻めて得をしてしまおうということだと思いますが、非常に現代的な感覚ですね。

実際このあと4一玉型で戦いが起こります。

△7五歩と仕掛け、中盤に突入です。

いやぁ~しかし、この局面で攻めるんですか。

さすがにこれは先手がやれる局面だとは思うのですが、なにしろ後手は羽生二冠ですからね。

何をしてくるのかわからない怖さがあります。

将棋ファンの方々はワクワクしながら観戦していたことでしょう。

以下、▲7五同銀△9七桂成!!

△9七桂成は、たしかにこの局面で攻めるならこの一手ですが、後手の玉型で成立するか否かは微妙なところだと思いますが、攻めている間は攻められないと踏んでの一着なのでしょう。

この局面ではもはや、後手の羽生二冠はこのまま上部の金銀をカベにして、相手玉をつかまえる気でいたはずです。

ただし飛車だけは絶対に渡せない形ですので、攻めにも神経を使うところです。

先ほどの局面から端の香車を清算して、△7五歩と王手銀取りにした局面です。

一見して困ったように見えますが、平凡ながら▲6四歩の切り替えしは的確で素晴らしいですね。

これは王手銀取りを回避しつつ、6筋の歩を切って6三の空間をあけた一石二鳥の手でした。

当然、△7五歩と銀を取れば▲6三歩成で勝負が終わってしまいますので、△同歩の一手に▲8六銀と引いて銀を助け、局面は収束します。

お互いの攻防の末、銀と桂香の二枚換えで先手の駒得ながら、端をへこまされている怖い形のため、形勢としてはほぼ互角と言っていい局面になりました。

そしてこの△3一玉が、自然な一手ですが素晴らしいですね。

この一手で、玉の堅さは二段階も三段階も増しますので、結果的に攻める手を指すよりも、玉を囲う方が攻めが早くなるんですね。

見習いたい一手です。

以下数手進んで、歩を成り捨てた局面。

同角なら△3五銀で桂馬がとられてダメですし、同桂は△3六歩が痛いように見えます。

しかし、ここで▲2三桂という手がありました。

まぁ、お互いに読み筋だったのでしょうけれど、観戦している方としては「おぉ~!」と声が出る一手でした。

これには当然△同金ですが、そこで▲2四香が続く好手で、以下△3七歩成▲同角△2四銀▲同歩△同金上△局面は、後手もかなり危ない格好になっています。

一方で、先手は矢倉囲いがまだしっかりしているので、ここで上手く攻められれば先手がやれるのではないかと観ていました。

以下、△6五歩▲3六歩と角の取り合いにいきましたが、▲5九角△5三角とお互いに逃げあいます。

この辺りは、お互いに効かしを入れたという手ですが、次の▲4三銀に△2五桂が攻防に効かせた好手でした。

後手はついに玉頭に銀をおかれて危険な形になりましたが、この▲2五桂が飛車先を止めつつ△3七歩成を狙っています。

森内九段はこの局面で△3八歩と打ちましたが、ここで受けに回って手番を渡してしまったので、羽生二冠の猛攻撃を食らうことになってしまいました。

ここでは、▲3四銀成△同金▲4三金と、守り駒を剥がしつつ角にあてて攻めを継続していく方が有力だったとされています。

先手の攻めが止まったのを見て、△9一香のロケットを設置されました。

△9八歩成りを受ける手段がないので、▲7九玉と早逃げしましたが、ここでは既に後手が有利になっているようです。

以下、△9八歩成▲同歩△8六歩▲9七歩△8七歩成▲同金△5八銀▲2六角と難しい押収が続きましたが、、

ここまで進んだ局面を見ると、明らかに後手優勢になっています。

また、この△8七桂成りが素晴らしい手でした。

一見して▲6八玉△4九銀不成▲5七玉と進んだ局面で、持ち駒に金・香・歩しかありませんので、先手が逃れているように見えるのですが、

△2七歩が、これ以上にないほど厳しい歩の叩きとなりました。

以下、▲同飛の一手になりますが、△3八銀不成と指せば、飛車取りの狙いと△3七歩成りの狙いが受からない形になり、先手玉は挟撃されています。

そして、最後は▲6五歩と逃げ道を開きましたが、△4八角が玉を逃さない最後の決め手となりました。

以下、▲同玉は△4三とまで。▲6八玉は△5九角成と飛車を取って詰みなので、ここで先手の森内九段が投了されました。

▲8三桂成りとする前からの一連の手順では、おそらくこの局面までを読んでのことだったのでしょう。

でなければ、持ち駒金だけで中央に逃げた玉を捕まえようなどとは思いません。

先手の森内九段の指し手も非常に勉強になりましたが、羽生二冠の読みの深さには驚かされるばかりです。

本局の解析結果

本局の解析結果は、お互い一致率50%ほどで、悪手は当然ながら0でした。

おそらく、筆者が使用しているソフトの解析よりも正確な手を指されているので、全くアテにはなりませんが、一つの目安として記載します。

また、形勢グラフはこのようになっています。

序盤から中盤にかけて、4一玉型のまま攻めにいったところでは流石に先手に触れているようでしたが、羽生二冠の読みの方が深かったようでした。

しかし、100手を超える辺りまでお互いに接戦だったというのは、やはりプロの将棋はすごいんだなと再確認させられましたね。

お互いに、これといって悪い手を指したようには見えませんでしたが、後手の△3六歩の垂らしにの▲3八歩と受けた辺りから、後手に触れていっていますので、本局の敗着は▲3八歩だったのかもしれません。

しかし、実際のところはこの解析結果では何ともいえないところなので、あとは自分の頭の中で考えることにしましょう。

といったところで、少々長くなりましたが、2017年9月23日将棋日本シリーズ森内九段VS羽生二冠の棋譜並べでした。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

それでは、また次の棋譜でお会いしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です