若手とベテランはどっちが強いのか?藤井聡太 四段 VS 小林健二 九段【棋譜並べ#3】

今回は、2017年9月20日に関西将棋会館での王座戦の一局で、藤井聡太 四段 VS 小林健二 九段の将棋を並べていきます。

若手のホープである藤井聡太四段とベテラン棋士である小林健二九段という対照的なマッチングでした。

将棋ファンの方々は、若手の藤井四段にはぜひもっと活躍して、将棋界を盛り上げてほしいという想いと、ベテランの先生方にも実力を発揮してほしいという想いを抱きながら観戦していたことでしょう。

そういったところで、さっそく、並べていきます。

藤井聡太 四段 VS 小林健二 九段

本局は、居飛車 VS 角交換型振り飛車ということで、現代将棋の最新系をみることができる一局となりました。

序盤、後手は4四歩型の角交換振り飛車の形ですね。

少し前までの定石ですと、ここでは△3三銀から△4四銀△2二飛△3三桂というような形を目指すのが普通でしたが、最新の定石では△4四歩という手があります。(最近といっても、結構前から指されている手ですが)

これに対し、先手の藤井四段は急所である▲7五歩で対抗しました。

4四歩型に対しては、玉頭位取りにいく手が有力であるという研究のようですね。

もはや、「振り飛車には角交換」とか、「角交換の将棋に5筋は突くな」とか、もはや死語と化してますね^^;

これまでの将棋の常識というものは皆無です。笑

そして41手目、▲6五歩と先手が仕掛けました。

たいして、後手は△4四銀と強く出られましたが、ここでは△同歩とする方が自然だったようです。

以下、▲同銀△6四歩▲7六銀となり、先手に一歩を渡しますが局面をおさえ、次に△4四銀と出る手順が考えられるところです。

とはいえ、後手としてもその後に指す手が難しく、結局のところ先手に攻めてもらって、カウンターを狙うような将棋になるので、だったらすぐに△4四銀と指そうということだったのかもしれませんね。

しかし、この△4四銀に対しては、当然▲2四歩の突き捨てが入ります。

これは、銀の効きが2筋と3筋から外れたためですね。後手は△2四同角の一手で、角を質駒にさせられてしまいました。

ちなみに、△2四歩に対して同歩なら、▲6四歩△同金に▲2三角という手があります。

これは単純に次の▲1四角成と▲3四角成の狙いがあり、両方を受ける手がありませんので、先手がより有利になる変化ですね。

そういったことで、△同角だったということですが、以下、さらに▲9五歩と突き捨てを入れてから▲6四歩と取り込み、△同金に▲3一角と、先手が猛攻を仕掛けていきます。

▲3一角と打たれた局面では、後手がはっきりと苦しいですね。

△6二飛車の一手ですが、▲2四飛と切る手がまた厳しい一手。

先手は飛車を渡しますが、飛車一枚を渡したところで先手玉にたいした影響はありません。

そのため、後手は一方的に先手の攻めを受ける展開となってしまいました。

以下、△4三角と打って、次の△2一角成ないし△3四角成の狙いがシンプルですが厳しいんですね。

後手は△4六歩と突き捨て手から、駒損しないように△1三桂と逃げましたが、▲3四角成があるので先手優勢の局面になります。

▲3四角成に、△3二飛車と角と馬取りにあてる最善の手を指しましたが、ここで▲6一馬と切る手がまた最善の切り替えしでした。

以下、△同銀なら▲6四角成で先手勝ちです。

なので△3一飛の一手になりますが、▲4三馬と銀取りに引いて、△3三銀に▲5三馬となり、後手が投了しました。

こちらが本局の投了図となります。

駒割りとしては、飛車と金の交換で後手が駒得です。

しかし、先手の馬が5三という絶好のポジションにいることや、囲いの差、次の▲6四金を受けなければならないということを考えると、戦意消失するのも頷けます。

投了図以下は、指すとすれば▽4二角の一手ですが、冷静に▲5二馬とするくらいで、後手に手がありません。

以下、△6九飛とするくらいですが、先手には厳しい狙いがたくさんあります。

たとえば、▲6二金から▲6五歩の狙いとか、▲2三歩から▲2二歩の狙いなどですね。

持ち駒は金と歩だけですが、後手の形が悪いので手に困ることはなさそうです。

そういったところで、これ以上指しても仕方がないと判断されての投了だったということですね。

本局は、65手という短手数で終局しましたが、非常に現代的で、中身の詰まった将棋だと感じます。

そしてやはり、藤井聡太四段は強いですね。

今後の活躍にも期待大です。

本局の解析結果

こちらはソフトとの一致率ですね。先手が65%、後手が54%でした。

中終盤においては最善手しか指していませんでしたからね、、

形勢グラフはこのようになりました。

評価値としては、投了図で先手が600点ほど良いという結果でした。

600点くらいなら、ひっくり返せることもあるんじゃない?と思うかもしれませんが、あの局面では逆転することはなさそうです。

おそらく、評価値以上に先手が有利の局面だったと思います。

ただ、しかし冷静に形勢グラフを見てみると、後手はべつに悪手を指した訳でもないのに、ジワジワと押されている点が気になりますね。

おそらく、これがプロとアマチュアの差ということなのでしょう。

といったところで、少々長くなりましたが、2017年9月20日の藤井聡太 四段 VS 小林健二 九段の棋譜並べでした。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

それでは、また次の棋譜でお会いしましょう。

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