12時間に及ぶ熱戦!?三浦弘行九段 VS 広瀬章人八段 2017/9/22【棋譜並べ】

今回は、2017年9月22日に行われた「三浦弘行 九段 対 広瀬章人 八段 第76期順位戦A級4回戦」の棋譜を並べていきたいと思います。

本局は午前10時に対局開始し、翌日の午前1時に終局しました。

約半日に及ぶ熱戦で、お互いに疲労が蓄積される中でも、素晴らしい手が飛び交う見ごたえのある将棋でした。

三浦弘行 九段 対 広瀬章人 八段

トップ棋士同士のマッチングということもあり、戦型も注目したいところでした。

広瀬八段は当然、十八番の振り穴で勝負にいきましたね。

一方先手の三浦九段は、居飛車穴熊で相手の得意戦法に真っ向勝負といったところでしょうか。

 

先手は右銀を端に繰り替え、玉頭から攻めていく構想でした。

相穴熊の将棋でお互いの弱点である端で攻めあうのは、まぁよくある展開ですね。

ここから後手は当然の6六銀で、本格的な戦いとなります。

駒がぶつかり図のように収束しましたが、角で桂馬を取られた局面は後手が有利です。

先手はと金は作れるものの、次の1九馬が飛車にあたるので、駒割りが角桂香と銀の交換となり、後手の駒得が大きいです。

とはいえ、先手はと金を捨てて飛車を成りこむくらいしか手がないので、当然この一手ですが、ここで後手が少し間違えたようです。

本譜は△2三飛▲4九飛成と進みましたが、実はここではもっと良い手がありました。

飛車取りを受けずに△4八歩と叩く方がより明快で、同飛ならもう一発叩いて、さらに同飛なら△4六歩ですね。

こうなると先手は2二の飛車を取るしかありませんが、後手は4筋にと金を作りつつ飛車を取り返せます。

そうなると、△5八とから△5三歩成といったと金の量産が間に合ってくるので、先手の端攻めさえ受け切れば勝ちということになります。

本譜の飛車を成りこませる変化に比べると、歩の叩きが勝りましたね。

しかし、後に△9三飛と回るのが後手の狙いだったようです。

先手の端攻めを逆用して、端からつぶしてしまおうという手で、味良く飛車が捌けている形になりました。

そして、この局面をよく見ると先後ともに右側の駒がほぼ全て捌けているんですね。

この辺りの差し回しは、両者共に流石としか言いようがありません、、

戦いも終盤になり、お互いに玉が前に釣り上げられて怖い格好になってきました。

この時点で手数は140手を超え、体力もだいぶ奪われてきているところだったでしょう。

後手は次に△7七馬と切ったのですが、これは悪手だったようです。

この局面では、△8六桂打が正解で、馬を切らず、取られそうな桂を活用しつつ、先手玉を薄くする手があったんですね。

△8六桂打以下は、▲同桂△同桂▲8六玉と進みます。

こうなると先手玉はいつ詰んでもおかしくないような危ない格好で、これははっきりと後手が優勢です。

とはいえ、ここで一気に勝負を決めようと△6四馬などとやると、▲7五桂と受けて△同歩なら▲9三銀でおかしなことになります。

そのため、ここでは△8九王と冷静に一手先に受ける手が正着のようです。

後手優勢とはいえ、少し間違えるとすぐにひっくり返るので勝ち切るのは簡単ではありませんね。

本譜は△7七馬と切り、△9七金と激しく攻めていきましたが、この△9七金も後手有利ながら悪手だったようです。

以下▲同玉△8五桂と進みますが、▲同銀△同歩▲9四歩となった局面は後手玉も非常に危険で、だいぶ怪しくなっています。

ここでは、△8三金と打つのが冷静な一着で、玉頭を受けつつ先手玉を薄くする狙いがあり、これなら後手が優勢だったようです。

ここから仮に▲9三銀などとすれば、△同金の後に△8五銀▲9七玉△9六香までの簡単な詰めろが生じています。

とはいえ、先手もこれ以上受ける手が難しい。こういった手があったということですね。

最終盤、▲5五角から△3三銀と打ち、ここから先手も後手玉に迫りますが、最後は一枚足りず投了となりました。

197手、半日に及ぶ大熱戦、素晴らしい棋譜でした。

おわりに

ダイジェストで局面をピックアップいたしましたが、ここでピックアップした局面以外にも良い手がたくさんありました。

もし本記事でピックアップした局面以外に気になる手があれば、ご自身で並べて研究してみるとさらに面白いかもしれません。

本局は長時間、超手数の熱戦ということもあり、お互いにミスのある将棋ではありますが、筆者としては名局といって相違ない一局だったと感じております。

そういったところで、今回の棋譜並べは終わりにしますね。

それでは、またどこかでお会いしましょう。

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